2005年12月05日
みなさまこんにちは!カシカシです。
前回に続き、一般公開日に訪れた「東京大学柏キャンパス」のご紹介です。この中にある物性研究所で開かれていたガイドツアーに参加して、物性って何だろうと思いつつ、なじみのない不思議な世界をかいま見てきました。そのときの様子をご紹介します。
一般公開の2日間、物性研究所ではガイドツアーを計5回実施していました。所用時間約2時間のこのツアーには「光の世界」「ナノへの旅」「超低温・超電圧・超強磁場を触る」「物性科学を楽しもう」「物性科学を探る」の5つのコースがあります。どこに参加しようかとしばし考えた末、「超低温〜」のツアーを選びました。
それにしても、すごい人数。まず物性研究所の中庭にツアーそれぞれの参加希望者が並ぶのですが、全コース長蛇の列。中には親子連れや若い男性、女性、本当にいろんな年齢層の人たちがいます。とても権威のある国立研究所でありながら、見学会には世代を超えた方々が訪れ、まるでテーマパークのような人気ぶりです。
ところで、物性研究所をはじめキャンパス内の建物の多くはシリコンバレーのIT企業を彷彿とさせるような近未来的な感じの建物です。そういえば、東京大学は柏の葉周辺の街づくりプロジェクトの中心となり、なかでも東大の近山教授が会長を務める『柏の葉キャンパスシティITコンソーシアム』が、世界でも類を見ないITを活用した都市インフラの実現を目指しているとのこと。今年度中に柏の葉キャンパス駅周辺で実証実験に移るらしいですが、東大の研究が街のセキュリティなどで大いに力を発揮してくれる日も近そう。私たちには遠い感じがする東大の高度な研究が、知らないうちに私たちの暮らしに還元されるようになるなんて、キャンパスが近くにあるこの街ならではの特典です!少し身近に感じられた東京大学・・・なんて思いつつさぁ不思議の世界へ。
まず「絶対零度への挑戦」というテーマの研究室へ。絶対零度とは―273.15℃で、=0K(ゼロ・ケルビン)なのだそうです。今まで世界のさまざまな研究施設で絶対零度に挑戦しているようですが、1983年に出た0.000027K(ケルビン)が最も低い温度の記録らしい。この少数以下の零の数をどんどん増やし限りなく0Kに近づけていくのだそうです。見せてもらった装置は、とても物々しい感じ。床から地下の方に下がった長いバー型の先端が超低温になる部分みたい。この装置、僅かな振動でも温度が上がってしまうため、振動を吸収する巨大な台の上に載っています。ここで研究員の方へ素朴な疑問。
カ「絶対零度の状態をつくってどうするの?」
研「さまざまな物質の超低温下での変化を検証して、物質の特徴を研究するんです。」
カ「それが私たちの生活にどう役立つの?」
研「それはまた別の研究対象ですね。」
ふむ・・・、そうか。頭の中は?マークだらけだけど、この研究成果が、将来的には東大の目指す街づくりに活かされていくんですね。きっと。
その後、超流動の研究装置と解説。超流動とは「狭い通り道でも流体の抵抗なしに通り抜けることのできる性質」らしい。
お次は圧力による物質変化の研究室へ。高圧下でゆで卵をつくるという実験の経過が写真で展示されていました。それを見て、私が「へぇ?ゆで卵って熱湯でなくてもできるんだ?」と言うと、解説の女性が「要は分子を変化させることですから」と。そうですね、確かにどんな物も小さな分子の集まりですからね。頭では分かっても、実感がわかない。もちろん写真には、しっかりゆで卵が写っていました。でもこれは「たんぱく質の物質変化」ですよ。
最後は、磁石の不思議のコーナー。磁石の力によって、本来は影響を受けないはずの銅板がくっついたり、磁力で動いたり。妙な感覚です。磁力で宙を回転するコマがあり、こどもが回したコマがクルクルと机から浮かび上がって回っていました。人によってその回り続ける時間が違うらしく「どうしたら長く回せるんですか」とたずねたら「場所や回し方によって変わります。運ですね。」と若い解説の男性。それを聞いた先輩と思われる方が「科学者が、安易に“運”なんて言っちゃいけません」とすかさず突っ込んでいたのには、思わず笑ってしまいました。
2回にわたってお届けした東京大学柏キャンパスのルポ。一般公開は毎年1回、10月末頃に行われているそうなので、ぜひ次回は足を運んでみてください。アカデミックな雰囲気が味わえますよ。私もにわか研究員になった気分で得意気に帰宅しました(笑)
また今回いらした方は、ぜひ感想などをお知らせくださいね。お待ちしています。
◆東京大学柏キャンパス
柏市柏の葉5-1-5
